「新築ワンルーム」は地震があっても大丈夫?!
2018/06/05
地震の多い日本で暮らす限り地震のリスクを排除することはできません。
過去20年ほどの間にも阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などの大きな地震があり、人命が失われるとともに建物にも大きな被害が発生しました。
その為、私たちが扱うワンルームマンションについても地震のリスクを心配する方は多いですが、本当にワンルームマンションは、地震に強いのでしょうか?
分譲のワンルームマンションの大半は、構造的に最も安全性が高い鉄筋コンクリート造です。またワンフロア当たりの部屋数が多く、その分間仕切りが多いためさらに強固な造りといわれています。ファミリータイプのマンションと比べてみても柱や梁の数が多く、躯体の塊であり、地震には非常に強い構造なのでその点からも安全性が高いと言えます。さらに検査機構を利用して地盤や地中杭などをしっかり検査しているので、国内にある住まいの中でもトップクラスの安全性が保障されていると言えるのです。
またマンションの耐震性は、1981年(昭和56年) 新耐震基準が導入された以降に建てられた建物かどうかも大きく関わってきます。この事は、阪神大震災でも立証されました。
この震災で倒壊、火災で被害を受けた建物の99%近くが1981年以前に設計された建物で、新耐震基準になってからの建物は、大破したものはわずか0.3%、中破でも1.3%に過ぎず、殆ど被害はありませんでした。現行では瑕疵担保責任も10年にまで延長され、欠陥マンションという言葉も聞かなくなりました。現行の建築基準法で建設されたマンションは、大地震でも建物を倒壊させないことが前提なので阪神大震災程度の地震なら倒壊することは、ほぼありません。(ただし、壁がひび割れたり、配管が壊れたりする可能性はあります)
※スーモ「耐震性目安」より抜粋
新耐震基準は、震度6強以上でも倒壊しない住宅が基準、旧耐震基準は、震度5程度の地震にも倒壊しない住宅が基準です。
耐震性に関わる取り決めは過去に何度も改正されてきましたが、阪神大震災以降、マンションでさらにクローズアップされるようになったのが耐震設計です。
1981年の宮城県沖地震を機に「新耐震基準」が導入されてから、2000年4月には「住宅品質確保促進法」において、マンションに「耐震等級」が与えられました。耐震等級が1~3クラスのマンションであれば、数百年に1度の大地震が発生しても、倒壊や崩壊を免れうるほどの強い構造を備えています。さらに、2007年には耐震偽装事件がきっかけとなって建物検査の厳格化や中間検査を義務付ける法令が施行されました。
【昭和の大地震と建築基準の進歩】
1948年 福井地震(M7.1) →1950年 建築基準法の改正
1968年 十勝沖地震(M7.9) →1968年 建築基準法の改正
1978年 宮城県沖地震(M7.4) →1981年 新耐震基準の導入
1995年 阪神淡路大震災(M7.3)→1995年 耐震改修促進法が制定
2005年 耐震偽装事件 →2007年 新構造基準が制定
現在「日本の耐震技術は世界の最先端」と評されています。日本の耐震性は歴史とともに進化し、特に飛躍的に向上を遂げた分岐点は(1981年)新耐震基準の導入とも言われるほどです。
新耐震基準と旧耐震基準では、耐震基準の差には大きな強度の差があるため、現在は、旧耐震基準か新耐震基準かは、契約前に重要事項で説明する義務が定められていますので確認ができます。
地震のリスクを考えるのであれば、地震が発生しても命や財産が守られるマンションかどうか、長く付き合えるマンションかどうかを判定し、選ぶことが大切だと言えるでしょう。